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ピックアップ | パリ店便り

パリで見つけた小さな森 

Vol.1002026.06.15

パリでは近年、多くのカフェで抹茶ラテはすっかり定番の存在となりました。しかし、その多くが気軽に楽しむドリンクとして提供される中、本格的に抹茶や玉露と向き合える場所は決して多くありません。そんなパリに、日本茶の魅力を発信するカフェが誕生しました。

パリ屈指の人気エリアとして知られる北マレ地区、ヴォージュ広場のほど近くに店を構える「Forêt Forêt(フォレ・フォレ)」。フランス語で「森」を意味します。店内に一歩足を踏み入れると、店内の随所に植物や木の温もりを感じるインテリアが広がり、まるで都会の中の小さな森に迷い込んだかのようです。オーナーのLoïcさんとXavierさんは、「緑に囲まれた都会のオアシスをつくりたい」という想いからこの空間を生み出しました。

緩やかな曲線を描くベンチや、どの席からも自然の緑を感じられる設計。周囲の視線を気にせず、自分の時間に没頭できる静かな空気が流れています。自然に囲まれながら、自然が育んだ飲み物を味わう。そのひとときは、慌ただしい日常から心を解き放ち、穏やかな気持ちへと導いてくれます。

コーヒーのスペシャリストである二人が、日本茶に魅了された理由も印象的です。抹茶人気が高まるパリで、「本当に良いものを、丁寧に届けたい」という思いを抱いたそうです。

そこで抹茶ラテだけでなく、寿月堂の薄茶や濃茶をメニューに採用。注文ごとに目の前で一服ずつ点てるという、本格的なスタイルで提供しています。さらに、玉露も人気メニューの一つ。オリジナルの茶器でじっくりと抽出した玉露を味わった後は、残った茶葉に酢醤油を垂らしていただくという、銀座 歌舞伎座店と同様の体験が用意されています。

コーヒー文化が成熟し、新たなスペシャルティ文化が花開くパリ。その中でコーヒーと日本茶を同じ目線で捉え、「味わう時間そのもの」を大切にする場所として、多くの人々を惹きつけています。今後はコーヒーと抹茶のペアリングメニューも構想中とのこと。

友人と語らう人、一人で本を読む人、静かにお茶と向き合う人。それぞれが思い思いの時間を過ごせる憩いの場所。そこには、パリの中心にいることを忘れてしまうような、穏やかな時間が流れています。

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